インド・ラダック地方のトレイルであるマルカバレートラック(Markha Valley Trek)。
ラダックエリアの中で最も人気のトレイルです。最高標高は5000mを超え、ラダックのトレイルが凝縮されています。
本記事では実際に歩いた時のトレイルレポートをお届けします。
マルカバレートラックのまとめ記事は別記事にあります。まずはこちらを確認ください。
また、歩いて必要と感じた
- ルートファインディングについて
これらも合わせてお届けします。
マルカバレートラック:トレイルレポート
それでは私のトレッキングレポートをお届けします。
私は個人で1人で歩きました。行きと帰りは他のハイカーとタクシーをシェアしました。
日程は下記で歩きました。なお、Hankerまではさまざまな村があるのでアレンジできると思います。
- Day 1:レーからKaya移動 Kaya から Sara
- Day2:Sara から Markha
- Day3:Markha から Hanker
- Day4:Hanker から Nimaling
- Day5:Nimaling から Chogdo レーに移動
Day1:レーからKayaへ Kaya から Sara
- 出発地:Kaya
- 到着地:Sara
- 距離:14km
- 高低差:登り250m
- 行動時間:5時間
- 8:20 レー出発
- 9:50 Chling
- 10:15 Kaya トレッキングスタート
- 10:50 Gompa 分岐
- 11:20 Skyu
- 12:50 Eco Cafe 休憩
- 13:20 スタート
- 15:50 Saya
8:20にレーのホステルを出発。途中、インダス川とザンスカール川が合流する所を通り、幹線道路からザンスカール方面への分岐を曲がります。
30-40分走らせて、Chilingに向かいます。そのあと川の橋を渡って、トレイルへ。Kayaまではアスファルトの道が繋がっているので、そこまでは車で行きました。
Kayaの村が見えた時点でタクシーを降りてトレッキングスタートです!
Skyuのゴンパがある所は、ガンダラパスに繋がっている所です。多くのツアーのスタート地点にもなっていました。
更にジープロードは続いており、マルカまでシェアタクシーで行けるようです。
しばらくはジープロードを歩くので、アップダウンはほとんどありません。日陰がないため、夏はかなり暑いです。
しばらく歩いてティーハウスがありました。コールドドリンクもあります!思わずコーラを飲みました。
途中でジープロードがマップスミーから外れていて、馬が下の方を歩いていたので、馬と一緒に歩いてる少年たちに確認。ジープロードでもいけるけど、上を通るから下の方が楽だよと言われました。その後も親切に道を教えてくれます。本当にラダックの方はみんな優しいです!
馬の落とし物や足跡を頼りに歩いていきました。
途中でジープロードと合流したらすぐにsaraの村がありました。ここはホームステイが2軒しかありません。
マルカバレーのホームステイは部屋がシェアでより簡素。トイレは外で穴があるだけという、リアルラダッキースタイルの家です。
Day2:Sara から Markha
- 出発地:Sara
- 到着地:Markha
- 距離:9.2km
- 高低差:登り200m
- 行動時間:4時間
- 7:50 Sara 出発
- 8:15 Chalak(1軒ホームステイあり)
- 8:45 Gompa
- 10:00 Thinles-Pa(ホームステイあり)
- 11:00 お昼休憩
- 12:00 Markha
- 12:30 宿でまったり
今日もマルカまでにほとんどジープロードを歩いていきました。
途中少し川を渡る所がありましたが、大したことはなかったです。
そしてジープロードとそこから外れた道がありました。わたしはジープロードを歩きました。上から見られたのは良かったけど、やっぱり下に降りた方が良かったかなと思います。
ジープロードと下の道が合流すると、ちょうどハーフ地点くらいです。ゴンパがあり少し休憩します。
その後、途中でティーハウスがありました。
ティーハウスの後、分岐があります。ジープロードではなく馬の落とし物がある方(右方面)にいきました。その先を見れば川を渡った先に人がいたので橋を探したらすぐにあありました。本格的なトレイルで少しワクワクします。
(ちなみにジープロードの方を行くと靴を脱ぐ渡渉があるようです。注意ください!)
そのあとすぐにマルカのキャンプ場がありました。もう少し先の橋を渡った所に10軒ホームステイがあると看板があります。ここから2km弱です。
マルカにつきました。大きそうなホームステイいったけど、ひとりだったのでで断られました。別の所に紹介されて、今日のホームステイ先が決まりました。
部屋の窓の外を見ればテントでくつろいでいる人がいます。散歩したり本を読んだりそれぞれの時間を楽しんでいて、平和な空間でした。
7時半からご飯。アメリカ人カップルも泊まっておりご飯の後少し話をしました。
Day3:Markha から Hanker
- 出発地:Markha
- 到着地:Hanker
- 距離 : 11km
- 標高差 : 200m
- 所要時間 : 4時間
- 8:15 出発
- 9:15 Gompa
- 9:55 Umlung
- 10:10 出発
- 12:00 Lower Hanker
- 12:15 Home Stay
深夜にすごく犬が吠えています。2時半くらいにドンドンと扉を叩く音が。ヒンディー語で何か話している声が聞こえます。
朝起きて何があったのか聞いたら、別の宿でハイカーが病気になって急遽搬送されたようでした。高山病かは分かりませんが、ここは山の中。いつ何があるか分からない、そんな世界なんだな。
チャパティを食べてから準備し8:15に出発しました。
ジープロードはマルカの先も続いています。渓谷のジープロードをひたすら歩いていきます。
本当に景色が綺麗です。マルカバレーの壮大さを今日一番実感したかもしれません。
マルカを過ぎると川の水の色が急に変わりました。透明感ある綺麗な水がすごい勢いで流れています。
今日も渡渉はなく(石を渡る程度)、大きな川には橋がかかっているので安心して歩けました。
ゴンパまでを目標に歩いて休憩。ゴンパは人工物ですがこのマルカ渓谷にマッチしています。ゴンパを含めてマルカバレーの魅力だなと感じました。
そのあと更にジープロードを歩いていくと街が見えてきました。Umlung の街はティーハウスがあり、コーラを飲みました。雑貨も少し売られていました。
ティーハウスからはあと6.5km、またしばらくジープロードを進みます。
しばらくすると万年雪のついた山が見えてきました。すごい綺麗です。俄然その先の峠の景色に期待が膨らみます。
1時間歩いてLower Hankerへ。少女に話しかけられたので彼女の家にホームステイをしました。畑で囲まれて、とてもピースフルな空間でした。
イスラエル女性のソロハイカーと部屋をシェアすることになりました。今日はイタリア人カップルも一緒です。
Day4:Hanker から Nimaling
- 出発地:Hanker
- 到着地:Nimaling
- 距離 : 12km
- 標高差 : 800m
- 所要時間 : 7時間(休憩なし6時間)
- 7:30 出発
- 7:45 ジープロード間違えて渡渉で気付き引き返す
- 7:50 上り
- 8:00 Upper Hankar
- 8:35 上りスタート
- 8:55 Murdochen camping
- 9:35 Tachungtse tea house
- 11:55 Chhiu
- 14:30 Nimaling
7時半に出発。鐘を回してからジープロードを歩きます。馬の落とし物もあると思ったらまさかの先はガチガチの渡渉でした!渡渉はないと事前に聞いていたので、道を間違えたと気づき戻ります。案の定、マップスミーからはズレておりました。15分くらいロスしたかな。
鐘の所まで戻りUpper Hankerに行く道を見つけました。結構登ります。
Upper Hankerに着きました。lower Hankerの方がホームステイが多いと聞いていたけど、その通りでした。
Upper Hankerでもジープロードをフォローしていたら、違う道に迷いそうになりました。ツアーのガイドさんが、ジープロードではなく私有地か?と勘違いする所を歩いていきます。マップスミーもそこを示しているのでツアーに着いて行きます。また迷うところでした。
しばらく私有地と勘違いしそうな道を歩き、Hankerの街を過ぎて行きます。景色は本当に美しいです!
そのあと川沿いに歩きます。川の側にある橋を渡るのかと思いきや、ツアーは渡らず左に外れていきます。確かに標識でNimaling←の文字が!ツアーグループに助けられました。ひとりだったら橋を渡って迷っていたかもしれません。
しばらく川のゴロゴロとした岩を歩きます。遠くの上の方に歩いているグループを見つけます。さらに本格的に登っていきます。
一旦休憩してから登りスタート!登った先は少し道幅の細い高度感のある崖を歩きます。数百メートル進んで切り立った崖はなくなりました。
その先は平坦なトレイルが続きます。
一旦少し降って橋を渡ったらティーハウスが見えてきました!
標高は4200m、ほとんど森林限界の世界です。
ティーハウスからは残り6.5km、600mの登りです。緩やかだけど、確実に登っていきます。
ここからきつかった!標高が4200mというのもあり、とにかく息が切れます。
しかし景色は圧巻で、マルカバレーが本気を出してきたと思いました。
谷底を歩く景色も綺麗ですが、上に登ると更に山が見えてきます。
2つに分かれるルートは最初緩やかで馬達が通っていた方を選択。しかし別ルート(左側)の方が景色は綺麗だったかもしれません。本当にヒマラヤの山々を一望!!やっぱり上がれば上がるほど、どんどん先まで見えてきます。なんども振り返っては写真を撮りました。
分岐の合流地点で少し休憩します。ここから先に見れるタルチョまでまた登りが続きます。左に巻きながらで登っていきます。緩やかですが、確実に登ります!
とにかくきつく、ティーハウスからタルチョのあるChhiuまで1時間かかりました。
Chhiuは氷河の溶け水が流れて池があり、そこにブッダぽい人が浮かんでいます。写真スポットなのか多くのポーターさんが写真を撮っていました。
ここでゆっくりランチブレイクをとりました。
標高は4600mまできました。あと4kmで200m上がります。ただ、今までに比べると上りは緩やかです。
しばらくして残り2km,100mの登りに。ほとんど高低差がなくなりました。
森林限界の岩場にはピカが沢山います。北米では見られるのがレアなナキウサギなのに、30匹くらい見たかもしれません。
最後は若干のアップダウンはあるものの、高低差はほとんどないので、しっかり歩けました。
ついに遠くにNimalingのキャンプ場が見えました!まだ1kmほどありますが、広大な原っぱにあるキャンプ場でした。どうしてもここが標高4800mあるとは思えないくらい、本当に平和で穏やかな空間が広がっていました。
この時期のみ営業しているキャンプ場は、飼われている牛やヤクが沢山います。
テントは他の女性ハイカーとシェアになりました。
Day5:Nimaling から Chogdo via Konmaru La
- 出発地:Hanker
- 到着地:Nimaling
- 距離 : 17km
- 標高差 : 登り450m、下り1500m
- 所要時間 : 6時間
- 7:45 出発
- 9:40 Konmaru La
- 10:00 出発
- 12:20 tea tent Chuskurm
- 12:40 出発
- 13:10 Chogdo
めちゃくちゃ寒いけど防寒具のお陰で眠れました!
昨日の夕方完全に渡渉だと思っていた川は、朝になると水量がすくなくなり、靴を脱がなくてもいけるレベルで渡れました。サクサクと石を飛び越えていきます。
川を渡ったら本格的に登りがスタートします。最初は結構斜度が高く急なためゆっくり登っていきます。
20分くらいで急登は終わり、その後は広い野原のような場所を歩いていきます。2.5kmくらい標高5000mの平坦な道を歩きました。標高が高いため高度順応できていないハイカーは苦しそうです。
その後最後の登りがスタートします。200mほど一気に上がっていきます。
ゆっくり上がり標高5250mの峠に到達しました!
昨日や一昨日に出会ったハイカーと峠で会ったので、みんなで喜びを分かち合います。峠の先の景色も圧巻でした。
20分ほど休憩し、名残惜しいですが下山します。
まずはがれ場を一気に500mほど下っていきます。そのあとは少しずつ標高を下げながら谷底を歩いていきます。
川を何回も渡りましたが、靴を脱ぐような渡渉はありませんでした。マルカ渓谷とはまた少し違った山容ですが、周りに囲まれている山々は圧巻です。途中で滝もありました。
少しアップダウンもありながら10km以上歩きます。標高は低くなっているので、息苦しいことはありませんでした。
下りがスタートしてから2時間半ほどで最後のティーハウスに到達します。ここまできたら残りは2kmとなりました。
30分ほど歩いてChogdoに到着しました!マルカバレートラック終了です!
マルカで一緒になったアメリカ人カップルが呼んでいるタクシーを待っており、そのタクシーに相乗りさせてもらうことになりました。
マルカバレートラック:ルートファインディング
最後に電波とルートファインディングについてお届けします。
電波について
基本マルカバレーには電波がありません。
MarkhaやHankerでは、ゴンパのある一部の場所でWiFiがあります。ホームステイ先のホストによってはパスワードを教えてくれることもあります。
私はマルカで少しWiFiを繋げることができました。電波は動画等を見れるほど強くないですが、LINEはできると思います。
場所によってはWiFiスポットから遠いため、期待はしないように。基本的にレーで必要なことを調べておきましょう。
GPSアプリについて
マルカバレートラック公式の標識やサインはありません。
Maps Meを事前にダウンロードしオフラインで使用できるようにしましょう。
2024年は、マップスミーをフォローして歩けば大丈夫です。
基本はジープロードですが、マルカ村の直前はジープロードの方を行くと渡渉になります。
また、Upper HankerからNimalingに行く道は要注意です!分かりにくい場所が多いため、ツアー参加やガイドを雇うことも検討しましょう。
まとめ:マルカバレートラックのリアルを想像しよう
マルカバレートラックのトレイルレポートについてお届けしました。
実際に歩いて感じたこと、気を付ける場所などをイメージしていただけましたでしょうか。
マルカバレーの基本情報については別記事でまとめています。合わせてご確認ください。
本記事がこれからトレッキングをする方の一助となれば幸いです。
素敵な山旅を♪
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