- カナダの有名な場所をトレッキングしたい
- 日本では見ることのできない景色をみたい
- 日帰りでは行けない所へ行きたい
本記事では、多くのロッキーの表紙を飾るあのスポットをご紹介します。
それが
- アシニボインエリアです。
でも実際にどう行けばいいのかわからない
そんな方へ向け、渾身を込めてアシニボインエリアの徹底解説記事を作りました。
本記事を読めば
- どんな景色が見られるのか
- どうやって行けばいいのか
- どのようにプランを立てればいいのか
- 費用はどのくらい必要なのか
課題が解決できるかと思います。
ではいってみよー
アシニボインエリアとは
アシニボイン州立公園にある人気トレイルです。カナディアンロッキーの本の表紙を多く飾っています。
マウントアシニボインは、その切り立った山容からカナディアンロッキーのマッターホルンと言われています。
次から紹介する、各Stepの順番ごとに考えて準備をしていきましょう。
- 歩く季節を考える
- 入山・下山方法を考える
- 宿泊施設を選ぶ
- アシニボインエリアのデイハイクを知る
- ルートを考え予約する
① 歩く季節を考える
まずは歩く季節を考えましょう。
ハイキングのシーズンである
- 7−9月
の間で、それぞれ特徴があります。
7月
高山植物が最も見頃です。
7月前半は雪が降ることも。7月後半は日本の夏山のように午後に雷が鳴ることが多いです。
また、他と比べて一番蚊の多い季節になります。しっかりとした対策が必要になります。
8月
ハイキングのハイシーズンです。
天気が安定する日が多いですが、晴れの日が続くと山火事が発生するリスクがあります。
周囲で山火事が起こると、晴れているのに視界が不良になります。実際アシニボイン近郊では、近年山火事でトレイルやロッジがクローズしたことがあります。
9月
気温がグッと下がり山火事や蚊の心配は消えますが、雪のリスクがあります。
しかしながら晴れれば1日中安定した天候が期待出来ます。
9月中旬は黄葉のベストシーズンであり特に人気が高いです。防寒対策はしっかりする必要があります。
② 入山・下山方法を考える
アシニボインエリアへの入山は、2通りの手段があります。
- ヘリコプターで入山・下山
- 歩いて入山・下山
次からそれぞれを詳しく紹介します。
入山・下山方法 ① ヘリコプター
まずはヘリコプターで入山・下山する方法です。
ヘリに乗る場所は2ヶ所
- キャンモア
- マウントシャーク駐車場
があります。
フライトは毎日ではありません。水・金・日のみです。
キャンモアからヘリで入山
バンフ近郊の街・キャンモアからフライトします。登山口までいく必要がないため、車なしで入山できます。その分費用は高くなります。また、利便性が良いため、予約が埋まるのが早いです。
価格は、1人片道:230CAD +5%Taxです。
入山のフライト時刻は
- 9:30
アシニボインロッジから下山のフライト時刻は
- 12:00
です。
Canmore Alpine Heliport
マウントシャークからヘリで入山
アシニボインへ行く登山口のひとつ・マウントシャーク駐車場にあるヘリポートより入山します。アクセスが悪く車が必須となりますが、その分費用を抑えられます。入山のみヘリ・下山は歩く等、アレンジすることもできます。
価格は、1人片道:200CAD +5%Taxです。
入山のフライト時刻は
- ロッジ予約者 10:00
- ハット・キャンプ場予約者 11:00
アシニボインロッジから下山のフライト時刻は
- 10:30-12:30の間
です。
Mount Shark Helipad
荷物のみヘリで運ぶ
オプションとして荷物のみヘリで運ぶことができます。1日でアシニボインロッジまで歩く必要(27−30km)がありますが、身軽になりその分身体の負荷を少なくすることができます。
価格は、5CAD(Tax込み 18kgまで)です。荷物が18kgを超える場合、プラス5CADです。
予約方法
Assiniboine Lodge 公式サイト:Helicopter Booking から予約が可能です。ヘリを予約する前に、宿泊施設の予約が必須となります。
入山・下山方法 ② 歩く
登山口から歩いて入山します。
登山口は2ヶ所
- サンシャインビレッジ(Sunshine Villege)
- マウントシャーク駐車場(Bryant Creek Trailhead)
入山方法は3パターンあります。
- サンシャインビレッジ(Sunshine Villege)から入山
- マウントシャーク(Bryant Creek Trailhead)からワンダー・パス経由で入山
- マウントシャーク(Bryant CreekTrailhead)からアシニボイン・パス経由で入山
1. サンシャインビレッジから入山(アシニボイン・ハイライン・トレイル)
- 歩行距離:30km
- 標高差:400m
サンシャインスキー場からアシニボインエリアまで歩きます。3通りの方法の中で最も距離が長く、30kmあります。
ゴンドラで一気に標高を上げることができるので、歩く標高差は少ないです。しかしながら、途中峠越えもあり、1日での入山は体力が必要です。
入山に2日かける場合、途中に2ヶ所のキャンプ場があります。
- Porcupine Campground:サンシャインビレッジから12km(未整備 無料 予約なしOK)
- Og Lake Campground:サンシャインビレッジから22km(テント10)
Og Lake Campgroundの予約はBC Parks公式サイトから
2. マウントシャークからワンダー・パス経由で入山
- 歩行距離:26km
- 標高差:450m
マウントシャークから入山する2つの方法のうちの1つ。最も距離が短いルートです。
後で紹介するアシニボインパスより眺望が良いと言われています。途中にあるワンダーパスは、眼下にMarvel Lakeを見ることができます。
1日での入山は距離が長いため、途中のキャンプ場を予約し、2日かけてアシニボインエリアへの入山を目指します。
途中にあるキャンプ場は3つ
- Big Springs (BR9):マウントシャークから9.6km(テント5 )
- Marvel Lake Campground (BR13) :マウントシャークから13km(テント10)
- McBrides Camp (BR14): マウントシャークから14km(テント10 )
さらにシェルターがひとつあります。(2022年閉鎖中)
- Bryant Creek Shelter:マウントシャークから14km(12人収容)
予約必須。上記のキャンプ場の管轄は、バンフ国立公園となります。アシニボイン州立公園ではありませんので注意しましょう。予約はバンフ国立公園のホームページから
Bryant Creek Shelterは閉鎖。新たなシェルターを建設中(2022年)
2022年、サマーシーズンのキャンプ場は予約制限があります。
3. マウントシャークからアシニボイン・パス経由で入山
- 歩行距離:27.5km
- 標高差:450m
マウントシャークから入山するもうひとつのルートです。上述のワンダーパスの方が眺望が良いため、往復別ルートを行きたい時に通ることをオススメします。ヘリ入山・サンシャインビレッジ入山の場合は、ワンダーパス経由の方がいいでしょう。
ワンダーパス経由と同じく、入山には2日かけることをお勧めします。
途中にあるキャンプ場は、ワンダーパス経由より多く5つあります。
- Big Springs (BR9) マウントシャークから9.6km(テント5 )
- Marvel Lake Campground (BR13) :マウントシャークから13km(テント10)
- McBrides Camp (BR14) – :マウントシャークから14km (テント10 )
- Allenby Junction Campground (BR17) :マウントシャークから16.4km (テント5 )
- O’Brien Group Campground :マウントシャークから21.6km(15-25人のグループのみ)
シェルターがひとつあります。(2022年閉鎖中)
- Bryant Creek Shelter:マウントシャークから14km(12人収容)
登山口へのアクセス
- サンシャインビレッジ(Sunshine Villege)
公共交通機関でアクセス可能です。バンフから無料シャトルバス→ゴンドラと乗ることで到着します。もちろん車でのアクセスも可能です。(ゴンドラ乗り場に駐車場有)
サンシャインスキー場の公式サイトに、シャトルバスの時間やゴンドラの時間が載っています。
- マウントシャーク駐車場(Bryant Creek Trailhead)
公共交通機関でアクセス不可能。キャンモアから41.3km離れており、大部分が未舗装のダートな道です。
車が2台ある場合は、事前に駐車しておくことが可能。(Kananaskis Conservation Pass必要)
ヒッチハイクは帰りなら可能性あり。実際に私はヒッチハイクでキャンモアの街まで戻ることができました。
Kananaskis Conservation Passについて
2021年より、車をカナナスキスエリアの登山口に駐車する場合、Kananaskis Conservation Passが必要となりました。マウントシャーク駐車場を利用する場合、このエリアに該当します。詳細は、アルバータ州公式サイトを確認ください。
③ 宿泊施設を選ぶ
アシニボインエリアには3種類の宿泊施設があります。
- キャンプ場
- ロッジ
- ハット
それぞれの詳細をご紹介します。
キャンプ場
アシニボインエリアにあるキャンプ場は3つ
- Oag Lake Campground(テント10)
- Lake Magok Campground(テント40)
- O’Brien Meadows Group Campground(15-25人のグループのみ)
があります。
核心部であるアシニボインロッジから最も近いキャンプ場は、Lake Magokです。(ロッジから1.2km)
Lake Magokでは最低1泊、できれば2泊以上をお勧めします。
キャンプ場の予約は、BC Parks公式サイトから。
価格は
- 1泊1人10ドル+オンライン予約料
です。
ロッジ
- Assiniboine Lodge(アシニボインロッジ)
アシニボインロッジとは
1928年に建設された北米で最も歴史のあるスキーロッジです。
6つのキャビンと5つのロッジルームがあります。サウナやシャワールームもあり、食事も提供されます。
月・火・木・土曜日には、16時〜17時までアフタヌーンティーを開催しています。
価格(2022年)
- ロッジルーム(2名部屋):1泊1人395 CAD + 6.2%Tax
- キャビンシェア(3−5人):1泊1人395 CAD + 6.2%Tax
- プライベートキャビン(2名利用):1泊1人490CAD + 6.2%Tax
ヘリの価格は含まれていません。
予約方法
Assiniboine Lodge公式サイトの予約フォームより予約します。
ハット
- Naiset Huts(ナイセット・ハット)
- Hind Huts(ヒンド・ハット)
Naiset Huts
アシニボインロッジの近くにある5つのハット。カナダアルパインクラブによって建てられ、現在はBC Parksが所有し、アシニボインロッジが運用しています。
各ハットは5−8人泊まることができ、トータル33人宿泊可能。
ドミトリースタイルで1人1つのマットレスがあります。(2022年Covid-19の影響でシェアはできず、1棟貸しになっています)
ハット内は調理厳禁。調理可能なWonder Lodge Cooking Shelterには、フライパンや鍋などのキッチンギアがあります。
価格は、1人1泊30CADです。(20ドル+予約料10ドル)
Hind Huts
Naiset Hutsと同じく、現在アシニボインロッジが運用しているハットです。
こちらはクライマー向けのハットであり、ヘルメット必須のエリアです。ハットの場所自体がクライミング必須のエリアのため、一般のハイカーは予約しないようにしましょう。
予約方法
アシニボインロッジへ電話のみ。403-678-2883
予約はかなり難しいと言われています。カナダ在住の人でも電話をすぐにかけて繋がるまで待っているよう。
2023年夏シーズンの予約は、2023年1月第2週より受付。詳細はまた後日出るようです。
④ アシニボインエリアのデイハイクを知る
Lake Magokキャンプ場 もしくは、アシニボインロッジを拠点に、2つの展望台までハイキングが可能です。
- Nub Peak(ナブピーク)・The Nublet(ナブレット)
- Wonder Pass(ワンダーパス)
また、数多くの湖があるため、湖畔歩きも外せないポイント
- Lake Magog(レイク・メイゴッグ)
- Sunburst Lake(サンバースト・レイク)
この2つの湖は、運が良ければ湖に映るアシニボインを見ることができます。
Nub Peak・The Nublet
必ず行くべき展望ポイント。ここに行かなければ、アシニボインの魅力が半減すると言っても過言ではありません。
歩行時間は半日必要なため、時間を確保しましょう。
- 歩行距離:往復9.8km
- 所要時間:4−5時間
- 標高差:570m
ナブピークまで行く時間がなければ、途中の展望台・ナブレットまでは行くようにしましょう。
Wonder Pass
ナブピークの次に人気の展望台です。途中にはメドウがあり、高山植物を楽しみたい方にもお勧め。カラマツの群生地があるため、9月中旬には黄葉も楽しめます。
往復ヘリ利用、またはサンシャインメドウ往復の場合、追加で1日取りましょう。
マウントシャークへ下山する場合、追加時間は必要ありません。
- 歩行距離:往復10km
- 所要時間:4時間
- 標高差:200m
⑤ ルートを考え予約する(パターン別に紹介)
最後に私が考えるルート・プランをまとめました。
- 費用を抑えたい/日数あり/車ありorヒッチできる
- 費用を抑えたい/日数あり/車なし
- ほどほどに費用あり/日数あり/車あり
- 費用あり/日数なし/車なし
上記の4つの場合のオススメプランを紹介します。
費用を抑えたい/日数あり/車ありorヒッチ可
上記の場合、私が最もお勧めするルートは
- サンシャインビレッジからスタートし、ワンダーパス経由でマウントシャーク下山
するルートです。
具体的なスケジュールは
- Day1:サンシャインビレッジからOg Lake(22km)
- Day2:Og LakeからLake Magog(7km)、その後湖畔散策やロッジ
- Day3:Nub Peak、アシニボインエリア周遊、Lake Magog泊
- Day4:Lake MagogからWonder Pass経由でMarvel Lake(12km)
- Day5:Marvel LakeからMt Shark Parking(14km)
Day2でNub Peakへ行けば、4日間でトレッキング可能です。
費用
ゴンドラ59CAD、4泊分のテント泊代、食料:約160-180CAD必要
費用を抑えたい/日数あり/車なし
この場合は
- サンシャインビレッジ往復ルート
を考えます。
特に2022年は、Marvel Lake等のキャンプ場が制限されているため、一番現実的です。
- Day1:Sunshine VillageからOg Lake(22km)
- Day2:Og LakeからLake Magog(7km)、テント設営後Nub Peak(10km)
- Day3:Wonder Pass、その後湖畔散策等 Lake Magog泊
- Day4:Lake MagogからPorcupine Campground(17km)
- Day5:Porcupine CampgroundからSunshine Village(14km)
サンシャインビレッジに下山の場合は、ゴンドラやシャトルバスの時間に注意しましょう。
費用
ゴンドラ120CAD、4泊分のテント泊代、食料:約220-240CAD
(復路ゴンドラ使用しなければ、約160-180CAD)
ほどほどに費用あり/日数あり/車あり
- Mt Sharkからヘリで入山、Wonder Pass経由で歩いて下山
登りのみヘリを使用するパターンです。
- Day1:Mount Shark helipadからヘリで入山、湖畔散策など(Lake Magog泊)
- Day2:Nub Peak(10km)、その後散策等(Lake Magog泊)
- Day3:Wonder Pass経由でMarvel Lake(12km)
- Day4:Marvel LakeからMt Shark Parking(14km)
歩く距離が一気に短縮できます。また、体力があれば、Day3で一気に下山することも可能です。
費用
ヘリ片道210CAD、3泊分のテント泊代、食料:約280-300CAD必要
費用あり/日数なし/車なし
- 往復ヘリ(キャンモア発着)を利用
日本から行く方にとって最も現実的な方法です。
いかに宿泊施設を予約しヘリを予約できるかがポイントとなります。
- Day1:9:30 Canmore Alpine Heliportからヘリで入山、Wonder Pass(10km)(Lake Magog or Lodge泊)
- Day2:Nub Peak(10km)、その後散策等(Lake Magog or Lodge泊)
- Day3:12:00 まで自由時間 Canmore Alpine Heliportにヘリで下山
費用
ヘリ往復460CAD、2泊分のテント泊代、食料:約500-530CAD必要
ロッジに宿泊する場合:ヘリ往復460CAD+ロッジ2泊840CAD:1300CAD必要です。
まとめ:費用や日数によって様々なオプションがある
アシニボインエリアについて
- 入山・下山方法
- 宿泊施設
- お勧めデイハイク
等、必要な項目をまとめました。
費用や日数によって様々なオプションがあります。
個人的には
- 時間をかけて入山しアシニボインに近づいてきた感覚を味わってほしい
というのが本音です。(歩いた気がしないですし)
本記事が、これからトレッキングをされる方の一助となれば幸いです。
素敵な山旅を♪
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