バンフ近郊の山頂を目指すトレイルはほとんどありません。
基本的に
- 山頂に行かなくても絶景がみれる
ということが、カナダハイキングの特徴です。
個人的には、ハイキングでも起伏に富み、登山経験者の方でも満足されることは間違いないです。
- カナダのハイキングコースはある程度歩いた
そのような方向けに本記事を書いています。
本記事はカナダの上級者向きのトレイルということをご了承ください。
バンフ近郊の山頂を目指すためには:スクランブルの技術が必要
カナディアンロッキーで山頂を目指すためには、ハイキング以上のこと
スクランブルという
手足を使ってよじ登ることが必須となります。
(北アルプスの槍や穂高をイメージください)
本記事はカナダ観光ではなく
- カナダで本気で山登りがしたい人
向けに書いています。
基本的に在住者の方がオススメの登山となります。
- 日本で穂高連峰などを歩いている方
- 日常会話程度の英語が問題ない方
- ピークハントしたい方
このような方には、個人で挑戦できるかと思います。
もし少しでも不安が残る場合はガイドツアーをオススメします。
本記事の登山ガイドツアーで日本語対応可能なツアー会社は、ヤムナスカのみとなっています。
ヤムナスカHPは下記を確認ください。
バンフ近郊の山頂を目指す3つの山とその特徴
それでは山頂を目指すトレイルを3つご紹介します。
バンフエリアから
- カスケードマウンテン(Cascade Mountain)
- マウントランドル(Mt.Rundle)
レイクルイーズエリアから
- マウントテンプル(Mt.Temple)
があります。
これらの山は
- 手足を使って岩場をよじ登る箇所がある
スクランブルが必要なこと以外にも
- 日帰りだが長時間登山
- がれ場が多くルートファインディング必須
- 登山口まで公共交通機関で可能(テンプルは車推奨)
- バンフで情報を得ることができる
という特徴があります。
手足を使って岩場をよじ登る箇所がある
日本では山頂を目指す行為を登山とひとくくりにしますが、カナダでは分けられています。
- ハイキング:足で歩いていける
- スクランブル:岩場で手を使ってよじ登る必要がある
- クライミング:日本のクライミングと同じ
です。
日本でいうハイキングとは少し意味が変わりますね。
極端にいうと、富士山登山でも燕岳登山でも、手でよじ登る所がなければハイキングです。
スクランブルは槍の穂先や穂高連峰の登山といったところでしょうか。
岩場があり手足を使って登る。そのような登山だと認識ください。
日帰りだが長時間登山
3つの山頂を目指すトレイルは日帰りが可能です。
しかし、どの山も長時間歩く必要があります。
速い方でない限りは、休憩を含めて8-12時間ほど必要です。
そしてもちろんですが道中にお手洗いはありません。しっかりした装備が必要となってきますね。
がれ場が多くルートファインディング必須
後半はほぼ岩場・ガレ場となっています。
ケルンや目印を見るとルートは分かりますが、事前に情報を得ること、そしてコンパスを持参することをオススメします。
登山口まで公共交通機関で可能(テンプルは車推奨)
バンフ近郊の山ですので、登山口までは公共交通機関でいくことが可能です。
テンプル山に関しては、公共交通機関でいくとタイムオーバーになる可能性が高く、車で早朝にいくことをオススメします。
バンフで情報を得ることができる
バンフの観光案内所にいる国立公園のレンジャーから情報を得ることができます。パンフレットも手に入れることができます。
Parks Canadaホームページのスクランブル(Scramble)についてのPDFと同じものです。
(Brochuresのページから、Scrambler’s GuideのPDFを確認ください。)
上記のPDFは詳しい地図ではありません。
国立公園のレンジャーに詳細や気をつけるポイントを聴き、絶対に事前に確認するようにしましょう。
(ですので、個人で行く場合には英語力必須ですよ!)
それでは3つの山
- カスケードマウンテン(Cascade Mountain)
- マウントランドル(Mt.Rundle)
- マウントテンプル(Mt.Temple)
の詳細について確認します。
バンフ近郊の山頂を目指すトレイル①:カスケードマウンテン
バンフを象徴する山。バンフ大通りからその山容を見ることができます。
高さ2998m。山頂では周囲の山々と共に、レイクミネワンカを一望できます。
カスケードマウンテン:トレイル概要
- 距離:18km
- 最高地点:2998m
- 標高差:1460m
- 所要時間:9時間
カスケードマウンテン:登山口
ノーケイ展望台
ノーケイスキー場から歩く。しばらくは広い道を歩いていきます。
Forty Mile Creekを渡るまで下りが続く。
川を渡ったあとは、Elk Lake Trailを2.5km歩き、右へ。
Cascade Amphitheatreへ向かうつづら折りの登りを上がっていきます。
カスケードマウンテン:アクセス
バンフからノーケイスキー場へのシャトルバスを乗車。バス利用の際は、帰りの時間を調べてそれまでに間に合わせる必要があります。
シャトルバスの状況はこちらを確認ください。
カスケードマウンテン:写真・レポート
とにかく距離が長い印象。樹林帯もがれ場も長く、がっつり歩いた感が強い。道中に景観が良いスポットが沢山あり、飽きることなく楽しめるルートです。
スキー場から沢沿いまでは緩やかな下りが続きます。樹林帯の登りがしばらくあり、森林限界を越えると岩場になります。
岩場になるとケルンや地図を確認しながらルートファインディングをして歩く必要があります。偽ピークまでも長く、そこからピークまでも歩きごたえがあります。
山頂からの景色は、山頂しか見ることのできない360度大パノラマを独占できます。
下りは危険箇所は特にないですが、最後の最後に緩やかな登りが待っていますので、体力を残しておきましょう。
バンフ近郊の山頂を目指すトレイル②:マウントランドル
カスケードマウンテンと並ぶバンフを象徴とする山。バンフ側からとキャンモア側からで山容が異なります。
標高は2948m。キャンモアからバンフまで約17km連なっています。
マウントランドル:トレイル概要
- 距離:11km
- 最高地点:2949m
- 標高差:1577m
- 所要時間:8時間
マウントランドル:登山口
ボウ滝の展望ポイント近くから橋を渡り、Golf Course Roadに入る。
100mほど歩くとSpray River Trailが。ここにランドルへ行く看板があります。
Spray River Trailに入り600m歩くと、左手にMt.Rundle山頂へ続くトレイルがあります。
マウントランドル:アクセス
バンフ市内から歩いて30分ほどで着きます。
車を駐車する場合は、ボウ滝展望台が最も近いが観光で連日満車になるため、できれば車以外で行くことをオススメします。
マウントランドル:写真・レポート
カスケードマウンテンに比べると距離自体は短いですが、景色があまり変わり映えしないため、体感は長く感じます。
最初はスイッチバックの樹林帯が続きますが、途中から超急登となり森林限界を迎えます。
がれ場も急登が多く、登り以上に降りに注意が必要です。私はがれ場の下りで転んでしまいました。
がれ場でも道迷いする箇所は少なく、危険箇所も少ないです。
山頂ではキャンモアの街も見ることができます。切り立った山の山頂はスリリングもありますよ。
バンフ近郊の山頂を目指すトレイル③:マウントテンプル
バンフ国立公園で最も高い山であり、標高は3544mです。
有名なハイキングコースであるラーチバレー・センチネルパスを歩き、その先は長い岩場のゾーンとなります。(落石のリスクがあるためヘルメット推奨)
マウントテンプル:トレイル概要
- 距離:16km
- 最高地点:3543m
- 標高差:1700m
- 所要時間:9−12時間
マウントテンプル:登山口
モレーンレイク駐車場からスタートします。
ラーチバレー・センチネルパスまではハイカーも多く、分岐はあれど道迷いする心配はありません。
マウントテンプル:アクセス
モレーンレイクまでは、パークスカナダが運行しているシャトルバスに乗ることができます。(予約推奨)。
Getting around the Lake Louise (Parks Canada)
長時間山行となるため、朝イチがオススメ。早朝ならモレーンレイクの駐車場に停められます。
マウントテンプル:写真・レポート
他の山と比べても標高差があり、長時間山行となります。森林限界後、岩場に入ってからが長いです。
ラーチバレー・センチネルパスを過ぎると落石注意エリアになるため、ヘルメット着用がオススメ。
ルートファインディングは必須で、事前に地図を読み込み、間違ったルートに行かないようにする必要があります。
岩をよじのぼるスクランブルの箇所がいくつかあります。
また、山頂付近では万年雪や氷河もあります。場合によっては軽アイゼンがあった方がいいかも。
私は9月初旬に歩いたため、岩場のルート上に雪はほとんどありませんでした。7月は残雪があり更に難易度が上がると思います。
私が登ったときは山火事の影響が眺望が悪く、あまり遠くの景色は見ることができませんでした。しかし山頂の氷河・白の世界は圧巻です。
標高も高く長時間山行なので、当たり前ですが体力も必要です。私は下りで気が抜けてしまい頭痛が起こりました。最後まで頑張ってください。
まとめ:しっかり準備し楽しい山歩きを
バンフ近郊で山頂を目指すトレイルを3つご紹介しました。
ハイキングではなくスクランブルの技術や体力が必要となりますが、山頂では絶景が待っています。
是非、カナダ在住者で日頃からハイキングをしている人は挑戦してください。
もう少し楽に山頂を目指したい。ハイキングレベルで行ける山頂のフェアビューはこちらの記事を確認ください。
本記事がこれから歩く方の参考になれば幸いです。
素敵な山旅を♪
コメント