ジョンミューアトレイルで最も悩むことが
- どこでリサプライをすればいいのか
ということです。
総日数や体力によるため、何日分の食糧を持つかは、人によってバラバラでしょう。
これから全てのリサプライ場所を紹介します。
メリットデメリットを検討し、自分に合う最適の所を探していただければ幸いです。
また、私が考える
- 最適なリサプライ場所
についてもお伝えします。
なお食糧は
全て事前に準備をしてリサプライ場所に送ることを前提にお話しています。
JMTより長距離を歩く、PCTハイカーには当てはまらないことがあると思いますのでご了承ください。
リサプライの場所
まずはリサプライの場所を地図で振り返ってみましょう
赤がJMTのルート、青がリサプライのおおよその場所です。
北から並べると
- トゥオルミーメドウズ郵便局 (Tuolumne Meadows Post Office and store)
- ジューンレイク郵便局 (June Lake Post Office)
- マンモスレイク郵便局 (Mommoth Lakes Post Office)
- レッズメドウ (Red’s Meadow Resort & Pack Station)
- バーミリオンバリー (Vermillion Valley Resort)
- モノホットスプリングス郵便局 (Mono Hot Springs)
- ミューアトレイルランチ (Muir Trail Ranch)
- ビショップ郵便局 (Bishop Post Office)
- ビックパイン郵便局 (Big Pine Post Office)
- インディペンデンス郵便局 (Independence Post Office)
です。
リサプライで考えるポイント
リサプライで考えるポイントは2点あります。
1、JMTのトレイルからどれだけ離れているか
2、荷物を手軽に送れるかどうか
この2点を比較できるように、表でまとめました。
リサプライ場所 | トレイルからの距離(マイル) | 送り方 | 住所・ホームページ |
---|---|---|---|
トゥオルミーメドウズ郵便局 | 0.3 | General Delivery | Tuolumne Meadows Yosemite National Park CA 95389 |
ジューンレイク郵便局 | 8 (+郵便局まで4マイル) | General Delivery | 2747 Boulder Dr June Lake CA 93529 |
マンモスレイク郵便局 | 0.2(+バスに乗る | General Delivery | 3300 Main St Mommoth Lakes CA 93546 |
レッズメドウズ | 0.2 | 持ち込みは1日あたり3ドルで預かり可。事前に送る際は保管料40ドル。 別途クレジットカード情報などを2週間前に手紙で送る必要あり | https://www.redsmeadow.com/resort/backpackers/ |
バーミリオンバリー | 1.1(+船に乗る) | 6月から10月は保管料30ドル。 受け取る10−14日前に着くように送ること | https://edisonlake.com/hikers/resupply/ |
モノホットスプリングス郵便局 | 10.0 | General Delivery | Mono Hot Springs Resort Mono Hot Springs CA 93642 |
ミューアトレイルランチ | 0.8 | 保管料85ドル。3週間前に送ること推奨。 指定の容器(蓋付きの5ガロンバケツ)で送ること | http://www.muirtrailranch.com/resupply.html |
ビショップ郵便局 | 11.8(+33.1マイル バス) | General Delivery | 595 W Line St Bishop CA 93514 |
ビックパイン郵便局 | 9.4(+17.5マイル 車40分) | General Delivery | 101 N Main St Big Pine CA 93513 |
インディペンデンス郵便局 | 6.6(+13.3マイル 車20分) | General Delivery | 101 S Edwards St Independence CA 93526 |
トレイルから近い場所は
- トゥオルミーメドウズ郵便局
- レッズメドウズ
- ミューアトレイルランチ
- バーミリオンバリー
送るのが手軽なのが
- トゥオルミーメドウズ郵便局
- ジューンレイク郵便局
- マンモスレイク郵便局
- モノホットスプリングス郵便局
- ビショップ郵便局
- ビックパイン郵便局
- インディペンデンス郵便局
です。
ここでひとつ気付いた方がいるでしょう。
そうです。実は
- トレイル上でリサプライをする場合:手間とお金がかかります
そして
- お金がかからず手軽に荷物を送れる場所:郵便局
郵便局がある場所は一部を除き街になります。
街に行くためには
- 一旦JMTのトレイルを離れ
- 登山口まで歩き
- 登山口からバスや車で街に行く
必要があります。
トレイル上でリサプライする場合と比べると、圧倒的に時間がかかります。
トレイル上?街?それぞれのメリットとデメリット
リサプライをトレイル上で行うのか、それとも一旦街におりるのか。
私が考えるそれぞれのメリットとデメリットを紹介します。
トレイル上でリサプライをするメリット
- 時間的なロスが少ない
- 山にいる気持ちをキープできる
トレイル上でリサプライをするデメリット
- 装備の買い足しが不十分にできない、または価格が高い
- 保管量にお金がかかり、送り方や支払い方法も複雑。余裕を持って発送しないといけない
街に降りてリサプライをするメリット
- 気持ちを切り替えてリフレッシュできる
- 装備が壊れた際、アウトドアショップで買い足しができる(マンモスレイク、ビショップ)
- 宿泊施設が多く前日や当日予約でも宿泊が可能。価格が安いホステルも存在する。
街に降りてリサプライをするデメリット
- JMTのトレイルから外れて歩く必要があり、その分日数が多く必要
- 時期や場所によっては登山口⇄街への交通手段がない(ヒッチハイクのみ)
- 郵便局に送る場合は、受け取りの曜日に注意する必要がある(土日は郵便局が閉まっており、荷物の受取ができない)
次に
- トレイル上でリサプライをする場合
- 街に降りてリサプライをする場合
それぞれの詳細を確認しましょう。
トレイル上でリサプライする際の問題と最適解
トレイル近くのリサプライで考えている方は
- レッズメドウ
- ミューアトレイルランチ(MTR)
この2ヶ所がオススメです。
しかし、ひとつ問題点があります。
それは
- 中間地点であるミューアトレイルランチ(MTR)から南の最終地ホイットニーポータルまで、トレイル上にリサプライ場所がない
ということです。
トレイル上のみでリサプライをする際の問題点
もし、スルーハイクを2週間で考えている場合は、特に問題はありません。
運ぶ食糧の量は7日分程度ですので、ベアキャニスターに入れることができます。
問題なのは
- 3週間のスルーハイクで考えている方
です。
この場合、ミューアトレイルランチ(MTR)から
- 10−11日分の食糧を持ち運ぶ
必要があります。
私の経験からお伝えすると
- 10-11日分の食糧を全てベアキャニスターに入れることはできません。
また、かなり重くなるため、歩くスピードや体力の消耗も懸念されます。
MTR・ホイットニー間で追加リサプライをする方法
- MTRからホイットニーまでもう一回リサプライがしたい
その場合、3通りの方法があります。
1、オニオンバレーまで歩き、インディペンデンスの街の郵便局でリサプライをする
2、オニオンバレーまで歩き、インディペンデンスのモーテルで1泊、リサプライをする。
3、パックトレインというサービスを利用する
1、オニオンバレーまで歩き、インディペンデンスの街の郵便局でリサプライをする
インディペンデンスは、後半の他の街に比べると
- JMTから離れて歩く距離が短く
- 登山口から街へも比較的近いです。
街で宿泊しなくても1日でJMTのトレイルに戻ってこられます。
しかし、登山口から街へは公共交通機関がありません。
定期シャトルバスはありませんが、事前予約で送迎サービスを受けることができます。
価格はひとり50ドル、ふたりで70ドルと、少し高くなっています。
送迎サービスは下記のリンクを参考にしてください。
East Side Sierra Shuttle 公式サイト
2、オニオンバレーまで歩き、インディペンデンスのモーテルで1泊、リサプライをする
上記1と同じトレイルを歩き、インディペンデンスのモーテルのサービスを利用します。
モーテル1泊の料金に加え、
- オニオンバレーまでの送迎
- リサプライボックス預かり
- ランドリーサービス
これら全て利用可能なパッケージプランがあります。
インディペンデンスで一泊を考えている方は、こちらを利用する方がお得だと思います。
3、パックトレインというサービスを利用する
ナショナルジオグラフィックの地図には
- ミューアトレイルランチより南の場所で、パックリサプライサービスをしている会社がいくつかある
と書いています。
ただ、馬で荷物を運ぶため、価格はかなり高くなります。
こちらのCedar Grove Pack Stationという会社は
woodsCreekという場所でリサプライサービスをしています。
(ミューアトレイルランチから60マイルの所)
Cedar Grave Pack Station 公式サイト
その際、SNSのコミュニティなどで同日日程のハイカーを探し、少しでもコストを安くするそうです。
下記はFacebookのグループです。
リサプライでオススメの街
街に降りて郵便局でリサプライをする場合、ほぼ一択ではないかというくらいオススメの場所があります。
それはマンモスレイクとビショップです。
追加で必要な日数、2つの街が最適な理由を紹介します。
JMTから街へのアクセスと追加で必要な日数
まずは、場所を確認します。
マンモスレイクへのアクセス
Red’s Meadow(レッズメドウ)から
- シャトルバス→バイクパークシャトル
と乗り継ぐことで、マンモスレイクの街に到着します。
マンモスレイクの街中は
- トロリーバス
が走っているため、タクシーを使わずに移動可能です。
ビショップへのアクセス
Le Conte RS からBishop Pass(ビショップパス)を経由し、South Lake (登山口)まで下山します。
片道11.8マイル(約17km)あるので、丸1日かかると思ってください。
South Lakeからは、夏季のみ1日2便ビショップの街へ行くシャトルバスがあります。
【Estern Sierra Transit 公式サイト】Bishop Creek Shuttle
注意!!
ナショナルジオグラフィックの地図には、ビショップへのアクセスはパイユートパス経由と書いています。
パイユートパスからは、ノースレイクという登山口からビショップへ行けますが、私はオススメしません!!
理由は3つあります。
- マンモスレイクでリサプライしてから日数があまり経っていない
- ノースレイクまで歩く距離が長い
- ノースレイクからビショップまでシャトルバスが出ていない
ビショップの街へ降りたい場合は、ビショップパス経由で行く方がいいでしょう。
追加でかかる日数・時間
- レッズメドウからマンモスレイクまで行き、戻ってくるのにかかる時間
→最短往復2時間〜3時間(公共交通機関のみ)
→宿泊施設で1泊して、洗濯やパッキング等するのがいいでしょう
- Le Conte RSからビショップまで行き、戻ってくるのにかかる時間
→最短往復2日間(JMTトレイル外を歩く時間+公共交通機関のみ)
→追加1日:ビショップで買い物をしたり身体を休める日(ゼロデイ)をオススメします。
リサプライ場所にマンモスレイクとビショップが良い理由
この2つの街がリサプライに最適な理由は、5つあります。
1、3週間でスルーハイクする場合、ちょうど3分割:食糧のバランスが取れる
2、公共交通機関やシャトルバスサービスがある:比較的安価に街に行ける
3、レストランの数が多い:食べたいものを選択できる
4、スーパーがある:食糧の買い足しができる
5、アウトドアショップがある:装備が壊れた際に手に入れることができる
ひとつずつ理由を確認しましょう
1、JMTを3週間でスルーハイクする場合、ちょうど3分割できる
こちらは実際に私がスルーハイクした際に歩いた行程です。
色分けしている区間の食糧を持ち歩いたと考えてください。
多少の差はありますが、歩いた日数は
- 5.5日→8.5日→8日
です。
ちょうど良いタイミングで身体を休めることができました。
2、公共交通機関やシャトルバスサービスがあり、比較的安価に街に行ける。
この2つの街へは
- 定期的に運行している公共交通機関やシャトルバス
があり
- 比較的安価に街へ行くことが可能
です。
3、レストランの数が多く食べたいものを選択できる
どちらも他の街よりは規模が大きいので、様々なジャンルのレストランがあり、食べたいものを選択できます。
4、スーパーがあるため、食糧の買い足しができる
どちらもスーパーがあるため、食糧の買い足しが可能です。
私も実際に送った食糧で不安があったため、街のスーパーで買い足しをしました。
5、アウトドアショップがあるため、装備が壊れた際に手に入れることができる
JMTを実際に歩いてから必要なものが分かることがあります。
その際、欲しかったものを途中で買い足すことができます。
実際に、私は途中で浄水器の袋が破れてしまいましたが、ビショップのアウトドアショップで買い足しをすることができました。
時間に余裕がある方、お金をあまりかけたくない方は是非検討してください。
最後によく使用されているリサプライ場所を紹介します。
よく使用されているリサプライ場所と私の考え
また最初の地図を振り返ってみます。
この中でリサプライとしてよく使われる場所が
1、トゥオルミーメドウズ郵便局
3、マンモスレイク郵便局
4、レッズメドウズ
5、バーミリオンバリー
7、ミューアトレイルランチ
8、ビショップ郵便局
10、インディペンデンス郵便局
です。
各リサプライ場所について
- 実際に聞いたこと
- 経験したこと
をまとめます。
トゥオルミーメドウズ郵便局
- トレイルから近くリサプライが簡単
また郵便局へ送るため、
- 荷物の預かりにお金がかかりません(14日間)。
最初は、まだ荷物の重さに慣れていないため、ここでリサプライも良いかなと思います。
ハッピーアイル(Happy Isles)からスタートの場合、3日あればトゥオルミーメドウズに着きます。
最初3日間の食糧を持ちリサプライが可能です。
私の場合はトゥオルミーメドウズには預けず、レッズメドウまでの6日分の食糧を持ちました。
マンモスレイク郵便局
レッズメドウからバスを乗り継ぎ1時間半ほどで、マンモスレイクの郵便局に到着します。
街のなかでは、トロリーバスが走っており簡単に移動可能。
宿泊施設も多く、スパ付きの高級ホテルからモーテルやホステル等があります。
大型スーパーやアウトドアショップもあるので、リサプライで受け取ったもの以外も購入可能です。
もし1泊されるなら下記が理想です。
- 午前中JMTを歩き、お昼にレッズメドウ到着
- その後バスを乗り継ぎマンモスレイクへ
- チェックイン可能時間(15時ごろ)に宿泊施設に到着
- その後郵便局へ行く
私の場合
私はマンモスレイクで1回目のリサプライを行いました。
振り返ると本当によかったと思います。
街に降りて、衣類を洗濯しシャワーを浴び、美味しい高カロリーなものを食べるだけで幸せでした。
個人的に、マンモスレイクはカナダのウィスラーを彷彿とさせる素敵な山岳リゾートの街で、再訪したいくらいの場所です。
レッズメドウ
トレイル上にあるため、リサプライは容易です。
保管料が40ドルかかり、こちらのフォームにクレジットカード等を記載し、事前に発送する必要があります。
手間がかかりますが、事前準備に余裕がある際は検討する価値があります。
実際にアメリカ在住のハイカーの多くが、ここでリサプライをしていました。
また、レッズメドウはカフェがあり、誰でもモーニングやランチを食べることができます。
売店では、ガス、靴下、ファストエイド、水、お酒、ジュース、フリーズドライ、果物などが購入可能。
ランドリーサービスやシャワーもあります。
バーミリオンバリー
他の場所と比べるとリサプライをするハイカーは少ない印象がありますが、トレイルあまり離れていないのが魅力です。
比較的高齢でゆっくり歩くハイカーは、こちらで休憩がてらリサプライをしていた印象があります。
湖畔の景色も良く、リゾート地に来ているみたいにゆっくりできるようです。
【Vermillion Valley Resort 公式サイト】リサプライ
ミューアトレイルランチ
JMTのちょうど中間地点にあるリサプライ場所です。
JMTのトレイルから2kmしか離れておらず、多くのハイカーがここでリサプライをします。
リサプライは
- 保管料が85ドル
- 指定の容器(蓋付きの5ガロンバケツ)で送る
ことが決められています。
事前準備に時間がかかることが予想されます。
私は、リサプライはしませんでしたが見に行きました。
ここの魅力はフリーフードがあることです。各食材ごとに別れており、誰でも持ち帰ることが可能です。服もフリーで置いていました。
売店ではガス缶やファストエイドの購入が可能。食べ物や飲み物は売っていないです。
またロッジが併設されており、宿泊も可能です(ご飯付き)
本日の空き状況を表示していたので、空きがあれば当日飛び込みも可能かと思います。
また、充電をするスペースも少しですがありました。インターネットは有料で使用することができるようです。
更には、MTRから少し歩いた所に温泉があるようです。私は行きませんでしたが、多くのハイカーがそこへ行くことを楽しみにしていました。
ビショップ郵便局
JMT・PCTハイカーのリサプライのためにあるような街です。
スーパーやアウトドアショップ、またレストランや宿泊施設も数多くあります。
安いドミトリータイプのホステルがあるのも嬉しいところ。
私はこのホステルでPCTハイカーとも交流ができました。
コインランドリーがあり、そこにはシャワー施設もあったので、宿泊しない方でもシャワーに浴びられます。
また、ビショップ郵便局は土曜日の午前中が開いています。
たいていの郵便局が土日は閉まっているところ、土曜日午前中なら荷物を受け取れます。
金曜日の夕方や土曜の朝に下山しても大丈夫ですね!
インディペンデンス郵便局、インディペンデンスモーテル
リサプライのみしてすぐに山に戻りたい方には良い場所です。またモーテルに宿泊もできます。
ただ、インディペンデンスは街と思わない方が良いです。
- スーパーへ行きたい
- アウトドアショップへ行きたい
そんな方にはインディペンデンスで降りることはオススメしません。
何故なら、スーパーや食事をする施設、アウトドアショップなど全くないからです。
インディペンデンスにあるのは
- 郵便局
- 宿泊施設
- ガソリンスタンド
以上です。
インディペンデンスでのリサプライをするのは下記の方くらいかなと思います。
1、スルーハイクに1ヶ月かける方
2、MTRでリサプライ後、南でもう一箇所リサプライが必要な方(お店等必要でない方)
個人的には
- ビショップでリサプライをしたのであれば、インディペンデンスに降りる必要はない
と思います。
まとめ:時間はあるがお金がない場合は街がベスト
JMTをスルーハイクする場合、リサプライは誰もが避けて通れないことだと思います。
また最初はどの場所へ送るのが一番良いのか、想像がつきません。
実際に私が街でリサプライをした時のことはこちらにまとめています。
私の経験が一人でも多くのJMTハイカーのお役に立てれば幸いです。
素敵な山旅を♪
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