ジョン・ミューア・トレイル(JMT )を歩こうと決めれば、計画・準備をすることがたくさんあります。
実際に歩く前に考えたことや準備したことをまとめました。
下記の①から⑦の順に考えればスムーズに準備ができると思います。
それぞれの項目、書ききれなかった別リンクも目を通してくださいね!
ジョンミューアトレイルとルールについて

まずはジョン・ミューア・トレイルについて少しお伝えします。
JMTには守るべきルールがあります。ルールについてこちらを確認してください。

では、やるべきこと、決めるべきことを確認しましょう
JMT準備 ①:歩く季節を決める【1年〜半年前】

まず歩く時期を決めましょう。
JMTを歩く人が多いのが6月中旬から9月下旬。
その中でも早い時期・シーズン・遅い時期に分けられます。
季節によって予約の取りやすさや天気、水場の確保などが違ってきます。
いつが良いのか、それぞれのメリット・デメリットを確認しましょう。
歩く季節を選ぶにあたってのポイント、各季節のメリットデメリットをまとめました。

自分に最も合う季節を選びましょう。
JMT準備 ②:歩く日数を決める【1年〜半年前】

歩く日数によってセクションハイクにするのかスルーハイクにするのかが分かれます。
またスルーハイクでも、1日あたり歩く距離によって日数が変わってきます。
歩く日数が変われば、食糧補給(リサプライ)の場所も変わります。
スルーハイクの日数の目安はこの通り
1日15−20km歩く:3週間
1日25−30km歩く:2週間
自分の体力とお休みの期間を確認しながら決めましょう。
次に、歩く日数から考えるハイキングスタイルをまとめました。
歩く日数1週間:セクションハイク
歩く日数2週間:セクションハイクor スルーハイク
歩く日数3週間:スルーハイク
歩く日数4週間:スルーハイクor スルーハイク+サイドトリップ
上記を参考に、歩く日数を決めてください。
セクションハイクの場合、どこを歩くかは下記リンクを参考にしてください。

アメリカ入国から出国までの総日数はこちらの記事でまとめています。


ここまで決められたら、お休みの予定を立てられるね!
JMT準備 ③:ルートを決める【1年〜半年前】


北から南へ進むのか、南から北へ進むのか。セクションハイクならどこを歩くのか。
パーミットをとる場所、食糧補給の場所、アクセスを確認する必要があります。
パーミットが取れる場所
パーミットが取れる場所を各国立公園ごとに色分けして記載しました。


青:ヨセミテ国立公園 (Yosemite National Parks)
オレンジ:インヨー国立森林公園 (Inyo National Forest)
ピンク:シエラ国立森林公園 (Sierra National Forest)
紫:セコイア・キングスキャニオン国立公園 (Sequoia/Kings Canton National Parks)
黄色:インヨー国立森林公園 (Mtホイットニーのみルールが違うため分けています)
このように分けています。
パーミットを取得できる具体的な場所は、各国立公園の番号を照らし合わしてください。


ヨセミテ国立公園 (Yosemite National Parks)
- Happy Isles (北の最終地点)
- Tuolumne Meadows-Cathedral Lakes
- Tuolumne Meadows-Lyell Canyon
インヨー国立森林公園 (Inyo National Forest)
- Rush Creek
- Shadow Lake Trail to Agnew Meadows
- Devils Postpile
- Reds Meadow Resort
- Upper Crater Meadow/Red Cones
- Duck Lake
- McGee Creek
- Mono Pass
- Pine Creek& Piute Pass Trail
- Bishop Pass
- Taboose Pass
- Sawmill Pass
- Baxter Pass
- Kearsarge Pass
- Shepherd Pass
- Cottonwood Pass
シエラ国立森林公園 (Sierra National Forest)
- Mono Creek
- Bear Ridge Diversion
- Florence Lake
セコイア・キングスキャニオン国立公園 (Sequoia/Kings Canton National Parks)
- Woods Creek
- Bubbs Creek
インヨー国立自然公園Whitney Portal ( Inyo National Forest )
- Whitney Portal (南の最終地点)
以上がパーミットを取れる場所になります。
北から歩くか南から歩くか
北からスタートして南へ歩くことを
- サウスバウンド
といいます。
サウスバウンドでスルーハイクしたい場合は、ヨセミテ国立公園内のハッピーアイルズが最初の地点です。
こちらのパーミット取得は、かなり倍率が高いです。
- トゥオルミーメドウズからのパーミット
- インヨー国立森林公園モノパスからのパーミット
上記も考えましょう。
一方、南からスタートし北へ歩くことを
- ノースバウンド
といいます。
ノースバウンドの際、インヨー国立森林公園ホイットニーポータルのパーミットの取得を目指します。
ただ、こちらはヨセミテ国立公園以上にパーミットの取得が難しいと言われています。
更に南にあるコットンウッドパスのパーミットを取得するか、スルーハイクを諦めるか。
どうしてもスルーハイクをしたい方はサウスバウンドの方がパーミット取得の可能性は高いでしょう。
スルーハイクにこだわらない
パーミット取得のポイントは
- スルーハイクにこだわらないこと!
です。
JMTの北の最終地点と南の最終地点のパーミット予約はとにかく大変!!
最終地点のパーミットが取れなかったらJMTを諦めるのはもったいない!
近くの場所のパーミットを取ってJMTを歩いて欲しい、シエラネバダの景色を楽しんで欲しいのです。
1日や2日JMTのルートが歩けなくても『スルーハイクした』と言っていいと思います。
歩けなかった場所は次回への楽しみに残しておきましょう。



また行く理由にもなるよね〜!
リサプライ(食糧補給)の場所
次に、リサプライ(食糧補給)ができる場所を下記にまとめました


食糧補給の場所を北から並べると
- トゥオルミーメドウズ郵便局 (Tuolumne Meadows Post Office and store)
- ジューンレイク郵便局 (June Lake Post Office)
- マンモスレイク郵便局 (Mommoth Lakes Post Office)
- レッズメドウ (Red’s Meadow Resort & Pack Station)
- バーミリオンバリー (Vermillion Valley Resort)
- モノホットスプリングス郵便局 (Mono Hot Springs)
- ミューアトレイルランチ (Muir Trail Ranch)
- ビショップ郵便局 (Bishop Post Office)
- ビックパイン郵便局 (Big Pine Post Office)
- インディペンデンス郵便局 (Independence Post Office)
です。
この中でよく使われるリサプライ場所が
1.トゥオルミーメドウズ郵便局
3.マンモスレイク郵便局
4.レッズメドウ
5.ミューアトレイルランチ
7.バーミリオンバリー
8.ビショップ郵便局
10.インディペンデンス郵便局
です。
トレイル上のリサプライと街でのリサプライ、私はこうした
また、リサプライをトレイル上でするか、一旦街に降りるかも重要なポイントとなります。
わたしは街に降りました。理由は3つ。
- リフレッシュしたかった。
- 保管量にお金をかけたくなかった。
- 事前準備の時間があまりなく、指定の容器など買う時間がなかった。
ためです。
結論から言って、街に降りてよかったと思います。
降りた街は2ヶ所。
マンモスレイクとビショップです。
後で振り返っても、この2つの街にしたのは、本当に良い選択だったと思います。
私と同じような方
- サウスバウンド3週間のスルーハイク
- 1週間ごとに街に降り食糧補給と共にリフレッシュしたい
上記に当てはまる方は、マンモスレイクとビショップに降りることをオススメします!


リサプライはどこにするか非常に悩むと思います。
下記のリンクにどこでリサプレイをするのが最適か、わたしが考えるメリット・デメリットを書きました。
こちらも一緒に読んで参考にしてください。


アクセス方法
マンモスレイクからローンパインまではバスで繋がっているため、簡単に移動することができます。
サンフランシスコからヨセミテ国立公園、ローンパインからロサンゼルスの行き方は下記にまとめています。


JMT準備 ④:予約をする【半年前】


ルートが決まれば次に予約をします。
予約はパーミット→航空券→宿泊施設の順で取っていきましょう。
1.パーミットの取得
パーミットの予約は大体半年前から始まるので、それまでにルート決めまで計画を立てておくことが理想です。
こちらの記事にパーミットの予約について記載しています。


【裏ワザ】ウォークインパーミットの取得方法
パーミットは予約以外にウォークインも一定数あります。
そこで日程に余裕がある方はウォークインパーミットを取得する方法もあります。
実際に私はウォークインパーミット狙いで朝イチにヨセミテ国立公園に入り、その日に当日キャンセルが出たためパーミットを取得できました。
私が取得したウォークインパーミットの取り方は下記にまとめています。


2. 航空券の予約
航空券の予約は様々な方法があります。私がよく価格の比較として使用していたサイトはスカイスキャナー。
最安を案内してくれます。
あとはエクスペディアとTrip.comもオススメです。


航空券の予約サイトや予約方法については別記事でまとめています。合わせてご確認ください。
3.宿泊施設の予約
宿泊施設は到着後の街の予約は事前に済ませましょう。
リサプライに街を利用する場合、街のモーテルやホステルの予約も済ませておきたいところ。
ただ、私はリサプライの宿泊施設は前日や当日に予約しました。
歩く距離によって街に到着する日程が前後する可能性があったためです。
私はアメリカのSIMカードをサンフランシスコで購入していたため、インターネットが繋がった時点ですぐに行いました。
シーズンでなかったこともありどこかの宿泊施設に空きがありました。
頻繁に使用していた宿泊施設予約サイトはBooking.comとagodaです。
【agoda】

宿泊施設の予約サイトについては別記事でまとめています。合わせてご確認ください。
JMT準備 ⑤:装備をそろえる


JMTに興味がある方は、日本や海外でテント泊の経験がある方が多いと思います。
ほとんどの装備は持っているのではないでしょうか。
このページでは日本のテント泊装備に追加して必要なものを紹介します。
浄水器、ベアキャニスター、スコップです。
浄水器
日本の登山では、山小屋で水を購入したり湧水から水を確保することが多いですが、JMTではトレイル上の川や湖から水を確保します。
そこには野生動物の糞尿が混ざっている可能性があるため、飲める水にする必要があります。
ベアキャニスター
JMTではクマ対策として、匂いのあるものは全てベアキャニスターに入れます。
そのため、ベアキャニスターを購入もしくはレンタルする必要があります。


※クマ対策でベアスプレーは使用しません。(ヨセミテ国立公園のレンジャーに確認済み)
スコップ
JMTでは、自らでた糞尿は15cmの穴を掘り埋めるというルールがあります。
穴を掘るために小さなスコップを携帯することをおすすめします。
その他必要なもの
地図は必ず入手しましょう。
オンラインやUL専門店でも買うことができるので、現地ではなく事前に手に入れることをオススメします。
一番のオススメはナショナルジオグラフィックの地図です。
この地図の良いところは21日でスルーハイクする場合の1日の行動計画が載っていることです。
私はこれを参考にしながら毎日どこまで歩くかを決めました。
「JMTの装備一覧」と「歩いた経験からのオススメギア」については持ち物・装備一覧記事をどうぞ。


JMT準備 ⑥:予行練習をしてみる


もし時間が取れるなら日本または海外で、4−7日間の予行練習をするのが良いかと思います。
私のイチオシはスウェーデンのクングスレーデンです。
理由は2つ。
幕営地の見つけ方を学べる
JMTよりアップダウンがなく歩きやすい
ただ行くためにお金も時間もかかります。
日本のトレイルではたくさんは歩いていないですが、私が歩いたなかでは信越トレイルが良い練習になると思います。
下記が予行練習にオススメのトレイルです。
日本のオススメトレイル
長野県:信越トレイル
他にもオススメのトレイルがあれば、是非教えてください!
JMT準備 ⑦:食糧を準備する


予行練習である程度の感覚を掴めたら、本番の食糧を準備しましょう。
私は日本から直接行かなかったため現地でかなり調達をしました。
ロングトレイルの食糧は考えるべきポイントがたくさんあります。
食糧を用意するにあたり、考えるべきポイントと実際の食糧を別ページにまとめました。


いざ、アメリカへ


今まで多くの準備、本当にお疲れ様でした。
ここまで準備ができたら、あとは心置きなくアメリカへ行ってください!!
アメリカへの入国・JMTを歩く前にアメリカでやったことは下記のリンクにまとめました。


アメリカでかかった費用はこちらの記事を確認ください。


トレイルレポート
実際に私が歩いたレポートを3つに分けて紹介します。
- 【JMTレポート①】ヨセミテ国立公園〜レッズメドウ【行動時間まとめ】
- 【JMTレポート②】レッズメドウ〜サウスレイク【行動時間まとめ】
- 【JMTレポート③】サウスレイク〜ホイットニーポータル【行動時間まとめ】






私がロングトレイルで経験したトラブル・悩みはこちら


事前に対策を考えましょう。
まとめ:準備は半年前から計画的に
JMTを歩くと決めてから事前に日本で準備をすること・考えることについてまとめました。
事前準備はかなり大変ではありますが、その大変さを吹き飛ばすくらいの素晴らしい経験ができると思います。
私は準備が不十分だったこともあり、かなり不安が残りました。
また実際に歩いてみて「事前に知っておきたかったな!」と思ったことが何回かありました。
本記事とJMT関連ページには、私が事前に知りたかったこと全てを詰め込んだつもりです。
皆様のJMTがかけがえのないものとなるよう願っています!
素敵な山旅を♪
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