今回はJMTの予約をせずにパーミットを取得する方法をお伝えします。
私がこのパーミットを取得してJMTをスルーハイクしたのは2019年8月末でした。
- コロナ前
- シーズンが少し外れた時
このような環境で取得できた方法です。
状況が違えば、今から記載する方法で取得できない可能性があることをご了承ください。
基本はパーミットの予約を取りましょう。
ダメだった時に予約なしで行ってみるくらいに考えてください。
なお、私が取得したのはヨセミテ国立公園のパーミットです。
サウスバウンドのスルーハイクが前提となりますので、ノースバウンドの方やセクションハイクの方にはお役に立たないかもしれません。ご興味ある方はご一読ください。
パーミットとは
まずはパーミットについておさらいしましょう。
パーミットとはアメリカの国立公園で1泊以上のハイキングをする際に必要な許可証です。
出発口である登山口(トレイルヘッド)で、出発日によって一定の人数が設けられています。
その取得のルールは管轄の国立公園や国立森林公園によって違います。
パーミットの種類について
パーミットは各国立公園でルールが違います。
管轄 | 予約スタート | 予約の割合 | URL |
---|---|---|---|
ヨセミテ国立公園 | 出発日の24週前から | 60% | https://www.recreation.gov/permits/445859 |
インヨー国立森林公園 | 出発日の6ヶ月前から | 60% | https://www.recreation.gov/permits/233262 |
シエラ国立森林公園 | 出発日の1年前から | 60% | https://www.recreation.gov/permits/445858 |
セコイア/キングスキャニオン国立公園 | 3月1日から | 75% | https://www.recreation.gov/permits/445857 |
ホイットニーポータル | 2月1日から抽選 | 100% | https://www.recreation.gov/permits/233260 |
上記の表でみますと、ヨセミテ国立公園は
予約のパーミット60%
残りの40%はウォークインパーミット
です。
では、ウォークインパーミットとは何でしょうか。次で紹介します。
ウォークインパーミットとは?
次にウォークインパーミット(walk-up permit)についてご紹介します。
(なお、私は予約せずに行くという意味でウォークインと記載をしていますが、英語ではWalk-up permitとなるようです。)
予約分以外の残りのパーミットは、早いもの順で取得ができます。(first-come first-served)。
ヨセミテ国立公園では、翌日のウォークインパーミットは前日の11時から受付が始まります。
予約なしでパーミットを取得する裏技とその理由
では今回のテーマの核心部である、予約なしでパーミットを取得する方法についてお伝えします。
その裏技とは何なのか。
結論から言うと
朝8時にヨセミテ国立公園入りをすること
です。
朝8時に着いたら、すぐにヨセミテ国立公園のWilderness centerに並びます。
これさえできれば、翌日のパーミット取得の可能性はかなり高いです。
上記にも記載した通り、ウォークインパーミットは前日11時から受付が始まります。
なぜ朝8時にヨセミテ国立公園にいき並ぶことが、パーミット取得に繋がるのか。
理由は3つあります。
理由1:翌日のパーミットをいち早く取得できる。パーミット取得者のみが宿泊できるキャンプ場に泊まれる
理由2:朝並ぶとレンジャーがどういう要件かメモを控えてくれる
理由3:当日キャンセルが出たらその日から歩ける
理由1:翌日のパーミットをいち早く取得できる。パーミット取得者のみが宿泊できるキャンプ場に泊まれる
翌日のパーミットを求めて行きますが、受付開始の11時に行っても、すでに長蛇の列があればパーミットを取得することができません。
その場合ヨセミテ国立公園でさらに1泊する必要がありますが、ヨセミテ国立公園内のキャンプ場はどこも人気で事前予約が必須です。
少しでも早く行き状況を把握する必要があります。
なお、パーミットを取得できれば、その日はパーミット取得者のみが宿泊できるキャンプ場に泊まることが可能です。事前にヨセミテ国立公園内の宿泊施設の予約が不要で、フレキシブルに対応できます。
理由2:朝並ぶとレンジャーがどういう要件かメモを控えてくれる
朝の受付時には多くのハイカーで溢れていますが、その過半数は予約していたパーミットの当日受付です。
しかし他にも様々なハイカーがいます。
朝一番はどういう要件で来ているのか一人一人にヒアリングしてくれます。
その際に「名前」「どこのトレイルか」を控えてくれるため、その後の対応がスムーズになります。
理由3:当日キャンセルが出たらその日から歩ける
事前予約の場合、歩く当日の10時までに受付を済ます必要があります。
すなわち、10時までに受付をしなかった人がいた場合当日キャンセルとなり、当日のパーミットに空きがでます。
当日キャンセルが出た場合、その日から歩けるパーミットを取得することができます。
パーミット取得のためにすべきこと
今まで朝8時に行くことのメリットと実際の状況をお伝えしました。
次に、ヨセミテ国立公園に朝8時に到着する方法をご紹介します。
こちらの記事でヨセミテ国立公園へのアクセスを記載しています。
サンフランシスコからヨセミテ国立公園へは、マーセドという街で乗り換えをする必要があります。
マーセドからヨセミテ国立公園へのバスのタイムスケジュールはこちら
【YARTS公式サイト】Merced to Yosemite
朝8時に行くためには、
マーセドで前泊する
マーセド朝5:30発のヨセミテ国立公園行きのバスに乗る
ことが必要になります。
マーセドの宿泊施設
マーセドの朝のバスはバスターミナルから出発、駅には寄らないため、バスターミナル近くのモーテル宿泊がベストです。
私が宿泊したモーテルがこちら
実際のパーミット取得までのレポート
実際に私が取得した流れを紹介します。
ヨセミテ国立公園へ、予約なしの当日受付はすでに終了
5時30分:マーセド出発のバス(YART)でヨセミテ国立公園へ
8時:ヨセミテ国立公園に到着。すでにWilderness center には大勢のハイカーが並んでいます。
8時半:Wilderness centerオープンと同時に、パーミット予約ありと予約なしの列に分けられます。
予約なしの列の人にも「どこのトレイルのパーミットか」を一人一人に聞いてくれます。
この時点で当日受付ができなくても、代替案を出してくれました。
あと名前も控えてくれます。名前と顔を覚えて貰えば、その後パーミットで並ぶ際にもスムーズです。
8時半の時点では「この日のパーミットはいっぱい」とのこと
10時半にもう一度Wilderness centerに来るように言われました。
10時半に再訪して分かった2つの可能性
予約したパーミットは歩く当日の10時までに受付を済ます必要があります。
すなわち、10時までに受付をしなかった人がいた場合当日キャンセルとなり、当日のパーミットに空きがでます。
また、翌日のウォークインパーミットは11時から受付が始まります。
10時半に再訪すれば、
当日キャンセルがでた場合:その日から歩くことができる
当日キャンセルがなかった場合:翌日のパーミットをいち早く取得することができる
これが可能です。
さらに私は8時半の時点で顔を覚えてもらい、名前も控えてもらっています。
10時半の時点で受付側もどのような要件かわかっているため、その後の対応がスムーズでした。
当日キャンセルが出て、パーミットゲット!!
当日キャンセル待ち、または翌日のウォークインパーミット取得のため
10時10分からWilderness center前で並びます。
「11時からのウォークインパーミットはここに並んでね」と、貼り紙があったので、分かりやすかったです。
待っていたら10時半にパークスの方がきて、当日キャンセルが出たことを教えてくれました。
「今日からか、明日からか、どっちがいい?」と聞かれ、できれば今日から歩きたいと伝えました。
初日はリトルヨセミテバレーのキャンプ場泊まることを条件に、JMTスルーハイクのパーミットを取得することができました!!
本当に飛び上がるほど嬉しかったです!!
パーミット受付の流れ
受付は、聞き取り→ルールの説明→質問受付の順で行われました。
聞き取りは
photo ID で名前と国籍
スルーハイクか?
何日に終わる予定か
メールアドレスか電話番号
ベアキャニスター持ってるか?(なくてもレンタルOK)
です。
Mtホイットニーのエリアは便も持ち帰りのため、便を固めるエチケット袋が配られます。
その後、ルールの説明をうけました。
ちなみに、このウォークインパーミットにはドナヒューパスのパーミットも含まれています。
ウォークインパーミットのリスク・デメリットについて
ウォークインパーミットを取得した方法をお届けしましたが、予約よりリスクが高いことには変わりません。
もちろんデメリットもあるので、最後にウォークインパーミットのリスクについてお伝えします。
考えられるリスクは下記4点です。
- シーズン真っ只中では通用しない可能性。
- 土日やアメリカの連休に重なると取れない可能性がある→平日に取得
- ハーフドームのパーミットは厳しい
- 以前とシステム自体が変わる可能性がある
1. シーズン真っ只中では通用しない可能性
シーズン真っ只中の7月中旬から8月上旬は、歩きたい人数がさらに多い。その分ウォークインパーミットを求めているハイカーも多いと考えられます。
夜通し並んでいるハイカーがいる可能性もあるため、朝8時の時点でパーミット分の人数に達している可能性があります。
2. 土日やアメリカの連休に重なると取れない可能性がある
土日やアメリカの祝日に重なると、JMT以外でも宿泊を伴うハイキングをしたいハイカーが大勢来ます。
そのため、朝の対応が変わる可能性があります。
ちなみに平日にパーミットを取得することは、その後1週間ごとにリサプライをする場合を考えても大切だと思います。
もしリサプライを街の郵便局で考えている場合、受け取りは平日でないと開いていませんので。
3. ハーフドームのパーミットは厳しい
予約のパーミットの場合はJMTと一緒にハーフドームのパーミットも取得しようと思えばできます。
しかしウォークインパーミットの場合、ハーフドームのパーミットの同時取得は難しいと感じました。
ハーフドームのパーミットは前々日に抽選で決まります。
JMTのウォークインパーミット取得時には、ハーフドームのパーミットの抽選は終わっています。
私は過去にハーフドームのパーミットを取得し、日帰りハイキングをしたことがあったため、今回は必要ありませんでした。
4. 以前とシステム自体が変わる可能性がある
私が歩いたのは2019年です。
2020年はコロナ禍やカリフォルニア州の山火事などがあり、カリフォルニア州のトレイルが閉鎖していることもありました。
調べたことろ2022年は現行で実施される予定ですが、今後もずっとこの方法が通用するのかは誰にもわかりません。
確実に歩きたければパーミットを予約する方が無難でしょう。
まとめ:ウォークインパーミット取得のコツは朝ヨセミテ入りすること
ウォークインパーミット取得の裏技についてご紹介しました。
私は事前にヨセミテ国立公園に入っても宿泊地の予約が取れないことを不安に思い、当日朝一番に行きました。
結果としてこの行動が、ウォークインパーミットの取得に繋がりました。
私の経験が今後歩かれる方のお役にたてば嬉しいです!
素敵な山旅を♪
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