JMTを歩く人が多いのが6月中旬から9月下旬です。
その中でも早い時期・シーズン・遅い時期にそれぞれに分けられます。
いつが良いのか、それぞれのメリット・デメリットを確認しましょう。
歩く季節を選ぶ6つのポイント
歩く季節を選ぶにあたってのポイントはこちらです。
- 予約の取りやすさ
- 野生動物の遭遇リスク
- 天気
- 蚊の問題
- 水場の確保
- 高地での幕営・寒さ
ひとつずつ確認していきましょう。
予約の取りやすさ
JMTはアメリカ国内のみならず世界中の人が憧れるトレイルです。
そしてアメリカではテント泊をする際には許可証(パーミット)が必要です。
パーミットは各登山口(トレイルヘッド)ごとに一定の人数が設けられており、その人数以上は歩くことができません。
野生動物との遭遇リスク
シーズン以外は歩く人が少なくなります。
その分野生動物と遭遇するリスクも高くなるのではないでしょうか。
実際に、9月中旬以降になると一気に出会うハイカーが少なくなりました。
わたしは幸いにもクマと遭遇はしませんでしたが、鹿とは何回も出会いました。
天気
JMTを歩く季節を考えるにあたり、天気は一番の重要なファクターではないでしょうか。
わたしが歩いたなかでは、8月下旬から9月初旬は典型的夏山の気候でした。
気温は高いですが、午後に雷を伴い短期間に雨が降ることも。
それに対して9月以降はカリフォルニアは一日中晴れの安定した気候が続きました。
ただ天気が悪い時は雪が降ったり、朝テントに霜が降りることもありました。
また、6月は残雪や渡渉の危険性が他の季節より上がります。
リンク:カリフォルニアの天気
蚊の問題
JMTは蚊が多いことでも有名です。
時に暑い夏場、水場の近くには蚊が多く、テントの設営時や水を汲む際に刺されたことも。
9月中旬以降、寒くなると蚊はほとんど見なくなりました。
また「夏場は標高の高い場所で幕営する」「焚き火をする」等で対策ができると思います。
水場の確保
JMTではトレイル上や近くにある川や湖から、水の確保を行います。
どの場所でもそうですが、早い季節ほど水場が多く、遅くなればなるほど水場が少なくなります。
実際にわたしが歩いた9月は、想像以上に天気がよかったシーズンだったこともあり、想定していた場所の水場が枯れていることがありました。
高地での幕営、寒さ対策
最も歩くハイカーが多い8月は、通常の日本の夏山と同じ装備で問題ないかと思います。
他の季節ではプラスひとつの防寒具が必要と感じました。
ロングトレイルを歩くにあたり軽量化は大切ですが、軽くすることを考えすぎて不十分な装備になってしまえば命に関わります。
標高3000mを超えるような高地で幕営することもあるので、シーズン外は軽量化と寒さ対策のバランスが重要となってきます。
それぞれの季節のメリット・デメリット
各季節のメリットとデメリットをまとめると下記のようになります。
早い時期(6月ー7月中旬)のメリットとデメリット
メリット
- 人が少ないので予約が取りやすい
- 水場の確保がしやすい
デメリット
- 残雪の可能性→歩きにくい
- 渡渉が他の時期に比べて多い、水量も多い
- 人が少ないため野生動物との遭遇リスクが上がる
シーズン(7月中旬から8月中旬)メリットとデメリット
メリット
- 人が多いのでリスクが軽減できる(野生動物、装備)
- 気温が高く高地での幕営も問題なし
デメリット
- 天気が安定せず雷雨のリスクがある
- 人が多すぎてパーミットの倍率が高い(希望する出発日や出発場所のパーミットが取れない)
- 蚊が多く蚊の対策が必要
遅い時期(8月下旬から9月)のメリットとデメリット
メリット
- 人が少ないのでパーミットの予約が取りやすい。
- 1日を通して天気が安定している日が多い。
- 渡渉の水量が少ない
- 蚊が少ない
デメリット
- 本来の水場が枯れている可能性がある
- 標高3000m以上の高地での幕営が寒い
- 人が少ないため野生動物との遭遇リスクが上がる
これらを踏まえた上で自分に合う季節を選びましょう。
実際に私が歩いた季節:オススメの秋
私が歩いたのはシーズン終盤の8月31日から9月24日でした。
個人的には良い季節に歩けた!と思っています。かなりオススメです。
秋に歩いて【よかったこと】【想定外だったこと】は、メリットデメリットとほとんど同じです。
下記に実際に歩いて思ったことをまとめてみました。
秋に歩いてよかったこと
- シーズン終盤なのでパーミットの取得ができた
- 晴れの日が多い!特に9月は1日中安定した天気で快適に歩けた。
- 女一人での渡渉が怖かったため、少しでも水位が低い時期で安心した。
- 9月中旬になるにつれ、蚊がほとんどいなくなり煩わしさが消えた。
秋に歩いて想定外だったこと
- 予定していた幕営地の水場が枯れていた。(事前に他のハイカーから教えてもらい回避)
- 街に降りる際、シーズン中運行していたシャトルバスが終了しており、ヒッチハイクをした。
- 9月中旬以降は、標高の高い場所での幕営は寒い!!眠れない日もあった。
- 後半は一気に出会うハイカーが少なくなり、幕営地がひとりのことも。夜の野生動物の鳴き声が恐かった。
まとめ:季節によって装備も変わる
歩く季節それぞれにメリットとデメリットがあり、装備も若干ですが変わってきます。
最適な時期というのは人それぞれ違うと思います。
自分のなかの譲れないポイントがはっきりわかっていれば、優先順位をつけられるのではないでしょうか。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
素敵な山旅を♪
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