【JMTレポート③】サウスレイク〜ホイットニーポータル【行動時間まとめ】

JMTをスルーハイクにあたり、実際に体験したことをトレイルレポートを載せる第2弾。

レポート①②はこちら

前回と同じく

• トレイルの状況
• 各場所までの時間配分

を記載しています。

本記事ではJMTルートの最終区間である

• Le Conte RS（サウスレイク）〜 Mt .Whitney 〜 Whitney Portal

までのレポートをお伝えします。

JMT day16　BishopからJMT 本道に戻る日

• 出発地：South Lake
• 到着地： Le Conte RS
• 距離：19km
• 高低差： 670m登り 990m下り
• 峠：Bishop Pass
• 行動時間： 9時間5分
• 天気：快晴

緩やかな登りから急勾配へ、下りはずっと辛いトレイル

先日とは逆に、サウスレイクからビショップパス経由でJMTルートへ戻る日。リサプライ直後のため登りはキツイけど、最初はなだらかである。後半のつづら折りの登りはかなりキツイ。ビショップパスまでは5時間かかった。

ビショップパスでゆっくり休憩。良い出会いが沢山あった。これから先のトレイルの情報などもいただく。

休憩していたらいつの間にか14時過ぎてしまった。そろそろ出発する。

最初はサクサクと下って行ったが、後半急勾配になるにつれて、下りでも疲れてきた。

JMT day17　Le Conté RS → Paraside Lakes

• 出発地：Le Conte RS
• 到着地： Paraside Lakes
• 距離：18km
• 高低差： 860m登り 130m下り
• 行動時間： 8時間50分
• 天気：快晴、午後から風強い

前半はフラットな道、後半は登りが続く

はじめはずっと谷底を歩く。5kmくらいはずっとフラット、逆に標高下げるくらい。3km/hrくらいのペースで歩く。

さらに歩く。 Middle Fork Trail 分岐から登りになってきた。やっぱり登りきつい。登りとフラットな道が続く。景色はすごいいい訳でもないけど、近場の山々は見えて迫力がある。途中山火事の後も通った。

お昼を過ぎると登りがスタート。がれ場の急登が続く。危険箇所はないけど、がれ場の足運びには気を使う。ビショップパスほどではないけど、それでも結構な急登だった。景色はどんどんと開けてくる。山々見え、歩いてた谷底が見えた。大きな花崗岩が間近にあり迫力がある。滝も見え、なかなかの景色。今日は湖は見ていないけど、負けず劣らず良い景色。

Palisade Lake までが長い。あと4.6kmだけど2時間半かかった。登りきったと思ったら、また登りが見えてくる。がれ場の階段のような登りが終わったら、少し緩やかになった。ちょっとペースは上げられたけど、まだ全く湖がある気配がない。川の流れはあるから、この先に湖があることは分かるけど。

Lower Palisade Lakeに着いたが、風がとにかく強い。吹きさらしというか、下から上がってくる風がある。その先には木々に囲まれた所があったので、Upper Palisade Lakeまで上がって幕営した。

JMT day18 Upper Palisade Lake → Lake Marjorie

• 出発地：Upper Palisade Lake
• 到着地： Lake Marjorie
• 距離：17km
• 高低差： 360m登り 640m下り 350m登り
• 峠：Mother Pass
• 行動時間： 7時間30分
• 天気：雪 曇 強風

2時間かけて峠越え、11kmの下りの後は沢を渡る

Upper Palisade LakeからMother Passまでは360mの登り、がれ場がずっと続く。足場も悪い。つづら折りの登りが続き一気に標高を上げる。

なんとかMother Passについた。下りもつづら折りの道だけど、がれ場少なく砂場なので歩きやすい。一気に降りて、それから一本道を歩く。

しばらくすると木々が見えてくる。ちょっと安心。相変わらず風は強くて寒い。11時の時点で気温は5度くらい。その後、640mを下り、沢沿いへ。なかなかやっかいな川渡りがあり、渡り終えた後は自分で自分を褒めた。

また登りがスタート。レンジャーステーションまでは、1.7kmで220m登る。なかなかの登りだ。森の中のつづら折りの登り。景観も期待できない。ただひたすら登っていく。

レンジャステーションを過ぎ、沢を渡るとBench Lakeの分岐がすぐあった。今日は天気が悪い。また雪が降ってきた。良い場所あったら、早めにテント張ろうと決める。Lake Marjorieが近づき、本格的にキャンプ地を探す。早めだけど幕営することにした。

JMT day19 Lake Marjorie → Dollar Lake

• 出発地：Lake Marjorie
• 到着地： Dollar Lake
• 距離：20km
• 高低差： 280m登り 1100m下り 530m登り
• 峠：Pinchot Pass
• 行動時間： 8時間25分
• 天気：快晴 風強し

午前中に峠越え、長い下りの後、翌日に備えてさらに登る

午前中にPinchot Passを超え、その後はずっと下りが続く。明日と明後日が過酷な行程なので、できれば距離を稼いでおきたい。

Pinchot Passはがれ場というのでもなく、砂場のつづら折りで歩きやすかった。他とは岩の形状が違うみたいだ。

1時間半でPinchot Passに着いた。パスの先も良い感じ。つづら折りの下りが続いて途中がれ場や雪渓があったが、下りはサクサクと進める。さらに歩くと森林が増えてきて歩きやすくなってきた。次の分岐まで階段で一気に下る。

12:00にSawmill Pass 分岐に到着。ここからPaladise Valley 分岐まで、5.5km下りの予定だがアップダウンが多かった。大したことないように見えて、途中で急登があったり、下ってもがれ場で足運びに注意が必要だ。途中滝があったり、沢は綺麗で楽しめた。

2時にPaladise Valley 分岐に着いて吊り橋を渡る。この吊り橋、油断してたら落ちる系のやつだ。今まで色んな吊り橋を渡ったけど、この吊り橋が一番デンジャラスだった。

その先、キャンプ場あった。今日の目的地はここだが、明日は登りで20km、すこしでも稼ぎたい。めちゃくちゃ綺麗で魚も泳いでる川で足洗いつつお昼。その後は進むことに。ここのキャンプ場はベアロッカーもあった。

また200m以上の登りが続く。後2km、時間的にもいけそう。ということでDollar Lake まで歩くことにした。

Woods Creek の方が標高が低いから寒くない。「また上がって寒さに震えるの？」という問いに、「少しでも稼ぎたい、パスに近づきたい」いう気持ちが勝った。

JMT day20 Dollar Lake → Center Basin Creek Camping Área

• 出発地：Dollar Lake
• 到着地： Center Basin Creek Camping Área
• 距離：19km
• 高低差： 530m登り 750m下り 310m登り
• 峠：Glen Pass
• 行動時間： 8時間45分
• 天気：快晴 朝テント内気温3度

美しい湖を見ながら峠越え、その後長いくだり

Dollar Lakeの湖畔を少し歩いてから登りがスタート。Allowhead Lake→Lower Rae Lakeと緩やかな登りが続く。この日は美しい湖が続く。のんびりと景色を見ながら写真を撮りながら進む。レンジャステーションを通り過ぎて、その先にあるRae Lakeがめちゃくちゃ綺麗だった。

ここからは、3km 440mの登り。階段のようにどんどん上がっていく。階段が終わったら森林限界の世界に。本格的にがれ場になる。つづら折りの超急登で、めちゃくちゃしんどかった。上がれば上がるほど、視界には小さな湖が広がっていく。上からみるRae Lakeも綺麗で、写真を沢山撮った。

予想通り、12時にGlen Pass着いた。嬉しい再会がありゆっくり休憩をした。

下りスタート。最初はつづら折りの下り（少し危険箇所あり）。その後は下りがなだらかになる。しばらくして違う景色が見えてきた。道もすごく急ではなく、トラバースのような感じで徐々に降りていく。上からみる湖が綺麗だった。

さらに下っていき、オニオンバレーに続く分岐があった。この辺りは雰囲気の違うメドウで素敵だった。その先のBubbs Creek分岐まで長い。まだ降りるのかというくらい、つづら折りの下りが続く。

なんとかBubbs Creek Trail 分岐まで来て、目的地に着いた。

今日ももう少し稼ぎたい。また登りがスタートする。登りといっても高低差300m、距離は5kmほど。急登ではないが視界は良くない。ただ黙々と歩いた。

JMT day21 Center Basin Creek Camping Área → Wright Creek Camp Area

• 出発地：Center Basin Creek Camping Área
• 到着地： Wright Creek Camp Area
• 距離：21km
• 高低差： 790m登り 690m下り 200m登り下り
• 峠：Forester Pass
• 行動時間： 8時間40分
• 天気：快晴 テント内 8度、外1度

長い登りを難なくクリアしセコイア国立公園へ

しばらくはどんどん標高を上げる。Forester Passまで6.9km 790mの登りが待っている。1時間弱、特に休憩せずに歩き通し、峠まで400mとなった。がれ場のつづら折りの登りのあと、フェイクパスがあった。すっごく急登があるわけではない。トラバース道でゆっくりと歩きつつ標高を上げていく。ラスト50mくらいはつづら折りが20くらい続いた。標高が高いからか、遠くの山々まで見える。

11:40にForester Passに着いた。そこまで人がいられるスペースがない。ほんまにがれ場にちょろっとある感じ。風がなかったのが幸い。

峠の先はセコイア国立公園。下山開始直後は岩場で結構こわい。歩くスペースはあるけど横は絶壁。この季節でもスリリングだと思った。注意深く10分くらい降りたら、がれ場のつづら折りの下りが始まる。

30分くらい降りると、そのあとは長い長い一本道が続く。ほぼフラットなので、森林限界から中々脱出できない。風もピューピューで寒い。でも景色は最高。だだっ広い、世界の大きさを感じる。

2時間かけてやっと森林の中にやってきた。本日の目的地・Lake South America Trail 付近に到着したけど、もう少し距離を稼ぎたい。プラス5km、200mを登って下る。

最初の登りは視界の悪い森の中だったが、視界が一旦開けたら最高の景色が待っていた。この荒々しい広大な大地というか、荒野を歩いている感じ、たまらない。セコイアは山が遠くにあるから、余計にそう感じる。砂場が多くて歩きやすい。殺風景な荒野なんだけど、涙が出てしまう、そんな景色だった。

荒野を過ぎると標高を下げていく。森の中は、木々が密集していなくて隙間がある。風が隙間から吹いてくる。今日のテン場も誰もいない。明日は多くのハイカーがいるから、今日は自然とひとり向き合う最後の時間。贅沢だと改めて思った。

JMT day22 Wright Creek Camp Area → Guitar Lake

• 出発地：Wright Creek Camp Area
• 到着地： Guitar Lake
• 距離：12km
• 高低差： 380mアップダウン
• 行動時間： 4時間55分
• 天気：晴れ、曇り、強風

気持ちの面でコントロールが難しいレストディ

レストデイ。まず下り、それから登りまた下り。地味にアップダウンがあってそこそこしんどい。

PCTとの分岐まで地味に長い。そこからは景観が良くなり、ホイットニーが見えた。メドウのレンジャーステーションまでは分岐からすぐだ。

人が増えてきた気がする。ここからギターレイクまでは4kmちょっと。

ゆるく歩きティンバーラインレイクへ。綺麗。周りの景色も岩場だらけになってきてホイットニーが近づいてくるのを実感する。更にそこから2km 150m登り、ギターレイクへ。風が強いので急いで設営した。

JMT day23 Guitar Lake → Mt Whitney → Whitney Portal

• 出発地：Guitar Lake
• 到着地： Whitney Portal
• 距離：23.1km
• 高低差： 7.1km 900m登り→16km 1900m下り
• 行動時間： 10時間10分
• 天気：晴れ

感動のホイットニー山頂と長い長いくだり

ギターレイクの暴風は、深夜にかけてより強くなった。テントが煽られ、吹き飛ばされるのではないかという恐怖に怯える。多くのハイカーは深夜2時に出発し、山頂でご来光を見るが、この強風じゃ撤収できそうにない。ペグを取った瞬間に、テントが吹き飛ばされそうだ。

少し悩んだが、朝方風が弱まるのを待ち出発することに。4:45に起きると外は穏やかだ。今出発しようと決め、真っ暗な中テントを撤収し歩き出す。

最初はナイトハイクだったが、特に危険箇所はない。急登でもないのでゆっくり歩いていく。ホイットニートレイルの分岐まで、つづら折りの登りが永遠に続くようだった。

8時に分岐ついた。荷物をデポしてる人が多かったので、私も必要なものだけ持っていく。ここから山頂まであと3kmだ。

「軽い！荷物がないってこんなにパフォーマンスが上がるのか！？ぴょんぴょん飛べる！まるで水を得た魚のようだ！」そんなことを思いながら、良いペースで歩く。

ガレ場は更にゴツゴツしだした。今シーズン落石があったと思われる不安定な岩場を歩く。山容がまたかっこいい。途中の雪渓はめちゃくちゃカッコ良かったけど、ツルツルだった。

最後の登りは安定した道になる。15分を登り山頂へ。ゴール地点は感動の一言で、号泣した。

JMTが終わった。アメリカ大陸で一番高い所に、今わたしいる。

JMTは終わったが、ここから下まで歩かないといけない。安全に下山してこそ本当の終わりなのだ。

分岐まで戻ってきた。荷物を整理し持ち運ぶ。重い。微妙に登りがあってしんどい。その後は怒涛の下りが始める。3.7km 480mのくだり、1時間じゃ抜けられないだろう。がれ場で足場が不安定なので休憩もできない。

Consultation Lake まで1時間半くらいかかった。ここを過ぎると階段が増えていく。シエラネバダと地層とは違う。全体的に岩が赤く一気に雰囲気が変わった。

1時間歩いてMirror Lakeへ。森林がある世界に戻ってきた。道はがれ場から明らかに歩きやすくなる。

Lone pine Lake 分岐までは誰でも来れるようだ。それより高い所は日帰りでも泊まりでもホイットニーのパーミットがいるよう。またつづら折りの下りが続く。

最後にレンジャーチェックあった。「あと1マイルだよ」「降りたら何求めてる？ハンバーガー？」と聞かれる。

あと1.6km。そしてゴール！あまり感動しない、というか「長かった。歩いたな」という感じ。これにて私のJMTが終了した。

まとめ：毎日峠越えのハードな行程だが、ゴール間近で高まる区間

JMTの最後のセクションである

• Le Conte RS（サウスレイク）〜 Mt .Whitney 〜 Whitney Portal

までのトレイルレポートと行動時間をお届けしました。

このセクションは毎日峠越えがあり、ハードな行程が続きますが、同時にゴールが近づいていく高揚感がありました。私は体が慣れてきたこともあり、一番パフォーマンスが良かった区間でした。

レポート①はこちら

レポート②

本記事が今後JMTを歩く方の一助となれば幸いです。

素敵な山旅を♪